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白髪

白髪スタートは私の青春

30代に入った頃から、白髪が気になるようになってきた。
頻繁にあるわけではないのだが、忘れていた頃にひょっこりと顔を出す。白髪部分だけ切りましょうとよく聞くが、面倒くさくて抜いてしまう。これが繰り返す原因になっているのかはわからない。

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家系的には白髪家系ではない。七十間近の母の髪は黒々艶々、ボリュームたっぷり。一方の父はハッキリと言うと、ほぼない。黒も白も、持ち合わせていないらしい。
なぜ私だけと思うが、白髪はストレスが原因と聞いたりすると思い当たる節がある。

30代に入る頃、私は販売職で店長業務についていた。それなりに大きな会社で全国に約50店ある婦人服の会社はベテランも多く、30代前半での店長就任は異例であった。特別な能力があったわけではない。辞める人、休む人、諸々の偶然が重なって私しかいなかったのだ。異例の出世をしてしまい、私は注目を集める形となった。

店長になってからは、年に2回本社出張があった。私は地方店なので、飛行機で向かって先輩方にもまれながら2泊3日、毎晩開かれる飲み会も異例の新人は断れるわけもなく、ホテルに戻る頃にはヘロヘロだった。
そんな出張の中、ホテルの鏡でふと見ると、頭がキラリと光った。1本の白髪だった。あまりにショックで、驚いてすぐに抜いてしまった。無かったことにしたのだ。そう、何も見なかった。
同じような1日を過ごし2泊目の夜、ホテルでシャワーを浴びていると同じ光を感じた。まさか…やはり白髪だった。同じような場所に1本、顔を出していた。
またしてもすぐに抜いて、今度はゆっくりと頭を確認した。鏡に頭をすりつけるくらいよく観察したが、他には見当たらなかった。たまたま2本生えてしまったのだろうか…。

その後も恐ろしいことに出張先のホテルで白髪を発見すると言う出来事が3年程続き、4年目7回目の出張で白髪の発見記録は途絶えた。考えてみれば、その頃には私も店長職に慣れ、業務の楽しさを覚え、先輩方にも意見を言えるようになっていた。ストレスを乗り越えたのか…身体は正直だ。

現在は仕事も辞め、専業主婦だ。ストレスなど全くないが、稀に白髪が顔を出す。その度に半泣きで白髪を探したホテルの夜が思い出される。私の青春だ。
今の私は心も乱れず、ブチっと引っこ抜く。こんなもの、たいしたことはないのだ。図太くなったものだと、我ながら感心している。年齢も正直だ。